9月になって、ずいぶん過ごしやすくなりました

9月になって朝晩はずいぶん過ごしやすくなりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

と言いながら、私自身は体調を崩して3日間もお休みを頂いておりました。同僚に迷惑をかけてしまって、大変申し訳なく、不甲斐なく...。

しかしうれしい事に、お客様の中には私の姿が見えないので心配して下さった方もいらっしゃったそうで、そのことを聞くともっとしっかり体調管理をしなければ!と背すじが伸びます。

当店はご年配のお客様が多く、皆さまやはり身体のことは一番関心がおありで、健康に関する本をお買い求めになる方がたくさんおられます。新聞に広告が載っている本をすぐに問い合わせにこられる情報通の方も。毎日の新聞チェックも欠かせません。

最近よく売れているのは「肺炎がいやならのどを鍛えなさい」西山耕一郎著(飛鳥新社)で、テレビ番組などで何度も取り上げられたこともあるのでしょうが、毎日食べたり呼吸をしたりするときに喉は使いますのでどうしても意識させられてしまうのでしょうか。

喉の調子が良くない人も大勢いらっしゃるように聞きます。ひょっとしてカラオケを楽しく歌いすぎて...なんてこともあるのでしょうか?

書店の仕事は朝の品出しが体力的に一番きつく、夏の暑いときは汗びっしょりになります。

本は重いですし、雑誌の付録の紐かけやコミックのフィルムかけなど、実はたくさんやっているのです。これらの作業を開店までの一時間でほぼ済ませます。

日によって入荷の量は大きく変動しますので、一時間で終えられないことはしょっちゅうで、そんなときは手分けして午前中に済ませるようにします。

午前中は配達業務もあるので結構バタバタしますが、これも発売を楽しみに待っておられる本好きの皆さまのため!と思えば何のその。

午後は棚づくりやフェアの準備、本の紹介POPを書いたり、ご注文の本の確認や手配であっという間に時間が経ちます。

一日が早いので、月日もいつの間にか過ぎていきます。こんなことを言っているうちに、すぐに年末が来てお正月です。

書店ではカレンダー、手帳、ダイアリーなどの発注はもう済ませていて、10月中には店頭に並べることになります。気の早いお客様は、暑い時分から来年のカレンダーのことをお尋ねになります。手帳、ダイアリーには4月始まりのものがありますし、家計簿には日付の入っていない自分で日付を書き込むものもありますので、一年を通した商品といえるのですが、やはり10月から12月にかけてお求めになりますので、店頭ではその時期に特設コーナーを設けて販売することになります。

今年も選りすぐりの商品を揃えていますので、ぜひ一度見に来てください。

書籍に関するニュースでは、やはり2017年上半期の芥川賞、直木賞が決まったことでしょうか。

第157回芥川賞を受賞したのは沼田真佑「影裏」、直木賞は佐藤正午「月の満ち欠け」でした。

受賞した「月の満ち欠け」は、書店ではちょっとした騒ぎになりました。というのは、この作品は出版社が岩波書店で買い切りの商品だったからです。

買い切り商品は返品できないので、売れ残ると損失が発生します。ですので、通常でしたら岩波書店の本はお客様からご注文をいただいて代金を頂戴してから発注しています。

ところが、なにせ直木賞受賞作ですから店頭に並べないわけにはいかず、見込み発注で少し多めに注文しました。店頭には、この本が今か今かと買われるのを待っています。

皆さま、文芸書売り場の芥川賞・直木賞コーナーです。

「月の満ち欠け」税込1,728円、好評発売中。ぜひぜひ買いに来てくださいね!

作者の佐藤正午さんは、鮮烈デビューの「永遠の1/2」からもう34年も経っているのですね。変わらぬ文体で、まどろっこしい表現は好きな人にはたまらないのでしょう。

佐藤さんならデビュー作で受賞されてもおかしくなかったと思うのですが、氏の作品の登場人物のように淡々と作品を発表してこられて今回の受賞となりました。おめでとうございます。

最近の直木賞は、作品に対してよりも作者に対して授与されるようで、ここ数年の受賞者にはすでに多くの作品を発表し評価も確立された方が多くいらっしゃいます。

恩田陸、萩原浩、青山文平、黒川博行、朝井まかて、葉室麟、池井戸潤などそうそうたるメンバーです。

9月になって朝晩はずいぶん過ごしやすく、あれっ、最初に戻ってしまいましたね。

皆さんもお体には十分気を付けていただいて、これから始まる秋の夜長、直木賞作家の作品をゆっくり読んでお楽しみになってはいかがでしょうか。

私もカウチポテトならぬゴロ寝せんべいで、お菓子と本をおいしく堪能します。もちろんお腹を冷やして風邪をひかないように、と心がけながら。

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